しっぽ大王の独り言 07

ようやく訪れた春の暖かさであるが、
最近は、雨が降ったり、夜中にちょっと冷えたりと、
温暖の移り変わりが激しいときもある。

でも昼間は暖かいので、我輩たちは日向ぼっこをする。
丘の上アパートの中ならば、別に踏まれる目にもあわず、
ほうきでひっぱたかれて追いかけられる目にもあわず、
平和に寝転がっていられる。

さて、「我輩たち」と、複数形を使ったので、
我輩の仲間を紹介しておこう。

茶太郎とくろべえである。
ま、見れば一目瞭然であるので、説明は加えない。
この子たちが、ほんのちっちゃいころから面倒を見てやっている。
無論、我輩の実子ではない。

猫族の中でもいろいろあるのである。


たいら氏の部屋には、我輩の食器だけがあったのだが、
今は、三つある。

「おめぇ、これ以上、連れてくんじゃねぇぞ」
とたいら氏は、我輩の顔を両手で左右に広げながら言うのだった。

いたたた･･･。

はいはい、分かりました。
我輩の仲間はこの二匹だけですって･･･。

あ～、いたい･･･。
ま、ちょっと、今のところ、たいら氏には逆らえぬ我輩であった。