yokohamanekoの日記

横浜で猫2匹と暮らしております。

シェエラザード


シェエラザード

 御存知、リムスキー=コルサコフの交響組曲でありますね。これは有名
な「アラビアンナイト」と言う物語から作曲されたと言われています。以下が
その物語。


 ペルシャの王、シャリアールは名君として君臨していた。しかし、こともあ
ろうか、彼の愛する妻は浮気をしてしまう。これに激怒したシャリアール王
は浮気相手ともども、妻の首を切って処刑してしまった。
 これによって女性不信となったシャリアール王は、女性はみな不貞であ
ると決め込み、毎夜、処女と寝床を共にした後は、夜明けに殺すと言う残
虐なる行為を始める。
 この習慣は約三年間も続き、名君は暴君へと変貌してしまった。

 ある日、大臣の娘であるシェエラザードに、この順番が回ってきた。純潔
を王に捧げたシェエラザードは物語を始める。
「王様、この続きはまた明日に…」
 シェエラザードの興味深い話しに、王はシェラザードの命を一日延ばした。
来る日も、来る日も、シェエラザードは物語を聞かせ、ついには千一夜も命
を延ばしたのである。

 この間にシャリアール王は変わった。もう一度女性を信じてみよう。シャ
リアール王とシェエラザードは結婚する事となった。


 私は以前に、「ペール・ギュント」と言う物語の主人公であるペールをさんざ
んこきおろしたことがあります。
 この物語はソルヴェイクという彼女がいながら、世界中を放浪し、あちこ
ちの女に手をつけ、放蕩の限りを尽くしたペールという男の物語です。
 何十年も時が経ち、年老いて落ちぶれ、一文無しになったペールが故郷に
かえると、なんとソルヴェイクはずっと待ち続けていたと言うお話しです。

 ペールの身勝手さを非難してみたのですが、しかしです。
うわてがいたか~~~。
 おのれ~~、シャリア~~ルぅ~~~。あんたいったいなんちゅ~事を
しとるのだ?女房が浮気したのは気の毒だと思うけど、酷い事すんなや。

 だいたいがさ~、王様のくせに奥様に浮気されるってのはどうよ?あんた
もしかして甲斐性無しの男だったんじゃね~の?

 「行って来まーす」と「ただいまー」の時のキスはちゃんとやったか?
帰りが遅くなるときはちゃんと電話してたか?
誕生日の時はプレゼントといっしょに「愛してるよ~~」の言葉を忘れない
で言ったか?
バレンタインデーのお返しも、ちゃんと三倍返しで「愛してるよ~~」って言
ったか?
クリスマスイブにはケーキを買って帰ってたか?
夜の御勤めは頑張ったか?

 こんだけやってりゃ、普通、女房は浮気なんかしねぇ~ぜ。
どうよ?心当たりあんでしょ~が?
 だいたいがさぁ~、俺が思うに、あんた、奥さんが最初の女だったね?
でしょ?じゃなきゃ、こんなムキにならないよね。
 王様になろ~って人は結婚前にもっと恋愛経験をつまね~~と!
わかった?シャリアール?

 説教オヤジは止りそうもありませんので、ひとまずここまで…。

 まぁ、シェエラザードさんは賢かったのですね。日曜、祭日、有給休暇が、
あったかどうかという細かい事は置いておいて、千一夜ですから、約三年
間は物語を語ったのですね~。
 今なら、間違いなくベストセラー作家になれますね。ブログのネタになる
ような話しを教わりたいものです…。^^


 ちなみに曲は大四楽章からなり、この物語に沿って作曲された訳でも無
いようです。
 どの楽章も、靜と動、柔と剛、シェエラザードと王、と言う、コントラストが
あり、ドラマチックで感動的です。しばらくはまりそう…。

 ちなみに私はこの曲の存在を、浅田次郎の小説「シェエラザード」で知り
ました。