yokohamanekoの日記

横浜で猫2匹と暮らしております。

「LAS VEGAS」 鬼束ちひろ

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鬼束ちひろさんが、活動を休止してから大分経ちました。
引退説も囁かれる中、写真週刊誌に「やつれた表情」を
撮られてからも大分経ちました。

事務所移籍、解雇、レコード会社とのトラブル…、
錯綜した芸能ネタでは何が真実なのか分かろうはずもなく、
それでもCDショップに彼女の棚はあり、新作が出るでもなく、
ベスト盤やら、シングルコレクションが乱発され、
本人不在の中、CD販売だけがされているのでした。

それが昨年、「every home」なるシングル盤の発売。
すでにクラシック音楽に傾倒し、ポップス等の音楽を聞かなく
なっていた私は、一応、購入はしていましたが、一度聞いた
だけで、CDは部屋の片隅に追いやられたのでした。

ところが先日、新聞に出ていた何かの雑誌のインタビュー記事
のタイトル「私はまだ死んでいない」に目が停まり、これが鬼束さん
の記事だったので、新しいアルバムが発表されていたのを
知ったのでした。

それが、本作。

新譜ではありません。すでに去年の10月に発売されたらしいです。
迷いつつも、何日が前に購入したのですが、風邪を引いてしまい、
CDを購入したのも忘れてしまった程…。

どうせ寝込んでいるなら、と聞いてみました。


ピアノと弦楽器を中心とした、重々しい楽曲と、
抽象画のような歌詞、人間の持つ感情を黒く染めながら、
時には美しくも、切々と語り掛ける声に、多くのファンが魅了
された今までのアルバム。

5年近くのインターバルを経てどんな音になったのか…。


最初に飛び込んできたのは、アコースティックギター
スリーフィンガーが醸し出すカントリーミュージック…。
出てきた声に驚きました。

鼻歌みたいな歌い方…。まるで洗い物でもしながら主婦が
歌っているような歌い方…。しかし、ちゃんと曲にはあっている。
でも、今までの鬼束ちひろを知っている人には驚きの一曲
になったはず。
狙ったとすれば、今までのファンの度肝を抜くに十分な作です。

2曲目は、本来の路線、ピアノと弦の音に合わせ、切々と歌う。
しかし、やっぱり歌い方が違う…。 ややもすると、毒々しいような、
人の心に絡み付いてくるような歌い方ではありません。
曲の後ろで鳴っているコントラバスの方がそんな感じがします。

3曲目、珍しくバンド編成。 今までもドラムが入っている曲は
ありましたが、ここまで、ビートを強調する曲はちょっと無かった
と思います。聞き慣れないせいか、ドラムの音がすごく邪魔に
感じますが、聞き慣れればそうでもないでしょう。

4曲目、やっぱり従来の路線曲。

5曲目は、なんとオーヴァードライブギターがリフを刻む。
ロックと言って差し支えないでしょう。 割と歌詞がすんなり
入ってくるところでは、分かりやすい歌詞なのかもしれません。

こうやって聞いてくると、今までの路線と、新たに加わった
ポップス系の路線が明確に分かります。
歌い方の是非はともかくも、音程がちょっとふらついている
ような気がするのは私だけでしょうか?
アカペラの曲、声が出てないと言うべきか、
あえて力を抜いているのか…。

もしかしてら、5年近いブランクのせいで声量を落として
しまっているのかもしれません。それはそれで仕方ないと
しても、アルバムとしての出来は良いと感じました。
明らかに試行錯誤の後を感じます。
当然、プロデューサーが変わっているでしょうから、
その影響もあるのかもしれません。

久し振りに、しばらく聞けるポップスのアルバムでした。

ご参考にどうぞ。↓
(CD、DVDの視聴あるようです)
http://www.onitsuka-chihiro.jp/discography/


1. Sweet Rosemary
2. bad trip
3. 蝋の翼
4. 僕等 バラ色の日々
5. amphibious
6. MAGICAL WORLD
7. A Horse and A Queen
8. Rainman
9. Angelina
10. BRIGHTEN US
11. everyhome