yokohamanekoの日記

横浜で猫2匹と暮らしております。

女王降臨 その二


照明のせいで、
ぼうっと浮き上がっているように見える舞台には、
15の椅子と、ピアノが見えます。
男性がピアノを調律しておりました。

ん~~~??

ピアノじゃないな…。 チェンバロ…?
ピアノよりも少し、金属的な音色を出す、鍵盤楽器です。

なるほど、今日の楽曲は、バッハとヴィヴァルディー。
バロック音楽の代表でありますから、この時代に多いに用いられた
チェンバロが必要なのですね…。

調律師が舞台を下りてしばらくすると、客席の照明が落ちます…。
さていよいよです。


あちこちから、咳払い…。
今のうちにやっておこうみたいな感じですが…。(爆)

1階前列の方から、拍手が広がります。
舞台向かって左手から、演奏者が次々と上がります。
総勢16人。 すべて弦楽器。
コンバス1名、チェロ2名、その他が、ヴァイオリンとビオラでしょう。

全員が着席し、場内は一瞬、水を打った如くの静けさ…。

左手、手前に座るヴァイオリニスト、恐らく彼がコンマスなのでしょう。
コンサートマスター 大雑把に言えば、楽団を束ねる人ですね)
彼の合図で、今日のコンサートが始まりました。



曲はバルトーク作曲、「弦楽のためのディヴェルティメント」

トロンハイム・ソロイスツのメンバーによる演奏。
トロンハイム・ソロイスツってのは、なんでも弦楽奏者の育成
のための場だそうで、今では世界的なるアンサンブルなのだとか…。

不覚にも私は、この曲を知りません。
ムターが参加しない曲なので、事前の情報から洩らしたようです。
でも、演奏は素晴らしかった。
バルトークらしく、現代音楽的で、今現在、音を出していないチェンバロ
との対比が面白く感じました。

第一楽章から第三楽章まで、一分の隙も無い演奏が終わると、
場内から、惜しみない拍手が送られます。
一人一人が丁寧にお辞儀をしると、メンバーは舞台袖に引き下がりました。


そしてまた迎える静寂。
コンサートが始まる前とは、違う昂揚…。

そう、

いよいよ、女王降臨の時が近づいている事を、皆が知っているからです。

再び、トロンハイム・ソロイスツのメンバーが舞台に上がりました。
拍手は、さっきとは比べものにならない…。
でも、女王はいない…。 メンバーの全員と、今度はチェンバロ奏者も
着席します。

拍手が鳴り止み、全員が、息を詰めて待ちます…。
またしても1階前列の方から、今度は激しい拍手が沸き立つ…。
ついに…、女王降臨…?

続く