yokohamanekoの日記

横浜で猫2匹と暮らしております。

横浜ベイエリア



 だいぶ前の話しで恐縮なのですが、ひとつ聞いてやって下さい。
実は私め、神奈川県の横浜市と言うところに住んでおります。その横浜市
にMM21地区と言うところがあります。「みなとみらい21」と命名
れているのですが、ま、横浜港を臨む、カッコつけて言えば「ベイエリア
とかなんとかいうヤツですね。
 ランドマークタワーだとか、帆船を模ったインターコンチネンタルホテ
ルだとか、赤煉瓦倉庫だとか、デートスポットってヤツがテンコ盛りです。
それに加え、かの「横浜マリノス」が来るとかで、現在スタジアムの建設
も行われています。

 ま、そんな今風の街並みでの出来事。

 ま、私め、配送の仕事をしているのですが、朝、会社を「いってきま~
す」とかって出た後は、このMM21を通って、あちこちを回り、またこ
こを通って夕方に帰社するのですが、そんなある日の夕方の事でした。

 MM21地区の入り口では、いつも頻繁に検問が行われています。通常
はシートベルトのチェックなのですが、たまにカンカン(最大積載量超過)
の取り締まりなんかも行われているようです。ですから、地区内には警察
官やパトカーが頻繁に現れます。
 その日はいつもの場所での取り締まりはありませんでしたが、何故か、
交通量はかなりのものでした。なんでこんなに混んでいるのだろう?
平日にも関わらず、車の量が多い。いくらも走らないうちから渋滞に入っ
てしまったのです。
「事故かな~~」
 と不審に思いながらも、車のひしめきあう前方や、バカに人出に溢れて
いる歩道を眺めていました。MM21では歩道が非常に広く作られていま
す。厳密に言うと、法的には自転車は歩道を走る事を許されていませんが、
ここでは許可されているそうです。

 ま、そんな幅広い歩道で私はあるものを目撃したのです。あるものとは
警察官でした。警察官と言っても、三十人からもしかしたら五十人くらい
はいるんじゃないかって程の人数です。
 そりゃ、なんか事件があったりとか、どっかの国の貴賓の来日だとかっ
てなりゃ、警察官だって、いっぱい出て来るでしょう。でも、私が今、目
の前で見ている警察官はちょっと違うのです。

 完全にダレているのです。うんこ座りしながら煙草吸ってる奴もいるし、
壁に寄りかかってぼりぼりと頭掻いているようなのもいるし、あろう事か、
歩道に横になって眠っているような輩も見えます。
 これが、三権分立によって国家権力を与えられた組織の姿でしょうか?
こんなヤツらに、「取り締まり」などという伝家の宝刀を振り回されて、
反則切符だの、罰則金だの、行政処分だのって、いいようにやられていい
のか! と私の憤りは沸騰していくのですが、ま、考え様によっては、こ
んなふうに警察官が堕落していれば、その方がいっか!
と思ったりして…。いや、ま、おほん!…。

 堕落した警察官がいるせいか、渋滞はひどくなるばかりです。
「今日、平日だぜ~、まじ~~??」
 とさっきとはまた違う憤りを感じながら、私は渋滞を並びます。やがて
インターコンチネンタルホテルの前当たりで、ようやく歩道の異常さに気
付きました。
 ま、国内有数のデートスポットってところですから、クリスマスだのバ
レンタインデーだのって時には、世界中のカップルが集まったんじゃね~
かって程、人が集まるのですが、それにしたって、この歩道の人数は普通
じゃない。頭の悪い私にもようやく少し分かってきました。

 インターコンチホテルの前に「国際橋」なる橋があります。その橋を渡
り切ったあたりで、歩道に目を向けます。スーツを着込んだ長身の男が二
名。その周りに大勢の人間が取り囲みます。しかし、二人はもみくちゃに
される事はなく、ポケットに手をつっこみ、ポーズを決めていました。
 右側の男に見覚えがありました。黒いサングラス。横に広がった大きな
唇…。

「ああ~~!! 館ひろしだぁ~~!!」

 じゃ、もしや、もしやと、もう一人を睨みつけるように見ると、
やっぱり~~!!

柴田恭平だぁ~~~!!」

 これって、映画のロケだったのね~~。何年か振りに「危ない刑事」が
どうしたのこうしたのって、聞いたことがありました。
 しかしそれにしても、すっかり、おじさん…、いや、顔の皺からすると
お爺さんでもいけそうな二人に、歳月の重みがのしかかっていたような…。
 昔の印象しか知らずに、今日までの過程も知らない私には、いきなり現
れた初老の紳士達に戸惑うばかりでした。
 良く見れば、二人の反対側には火見櫓の様にセットされた足場の最上段
に大型カメラがすえつけられていたのでした。

 だれた警察官はエキストラの休憩だったのでしょうね…。