しっぽ大王の独り言 02
夜は寒い。
しかし、我輩たちは夜行性であるからして、
つらつらと過ごしておる・・・。
と、たいら氏の部屋が明るくなっておるではないか。
これは、ごはんにありつけるやもしれぬ。
早速、洗濯機の上に座り込んで待機する。
ドアが開いたので、家の中にすべりこむが、
なぜか家の中は暗い・・・。
たいら氏も、外で、おいでおいでと手を振る。
我輩はつまみだされ、たいら氏もどこかへ行ってしまった。
ま、キャットフードだけはもらえたから、なんとかごはんには
ありつけた。
たいら氏は会社に行ったらしい。
たいら氏は、「会社員」という人種なのだそうだ。
会社員は、会社というところに行き、「労働」というものを提供し、
そして、「お金」というものをもらうのだそうである。
でも、驚くことに、お金は食べられないのだ。
食べられないものをもらっても仕方ないではないか?
と思うのだが、お金は、食べ物に変えられるのだとか・・・。
だったら、最初から食べ物をもらった方が良いように思うのは、
我輩だけであろうか?
「丘の上アパート」には、たいら氏の如く「会社員」という人種の他に、
「学生」という人種も存在する。
なんでも、「学校」というところに行って「勉学」をするのだと言う。
我輩には全然分からないのだが、
なにはともあれ、疲れ果てて帰ってくるたいら氏より、
学生の諸君の方が、楽しそうである。
我輩も、通うならば、会社よりも学校が良いと思ったのである。
しかし、たいら氏の出ていく時間は早い。
会社員はほかにもいるけど、たいら氏は何故か早く家を出る。
学生ともなると、遅い。 一番遅いのは夕方から出かける。
ふ~ん・・・。
人間というのは、いろいろ大変なのだな・・・。
我輩たちだって、人間が思ってるほど楽ではないのだけどな。