yokohamanekoの日記

横浜で猫2匹と暮らしております。

アーツ 最高です



K-1 オランダ大会は、アーネスト・ホーストのオランダ引退試合でした。
当初のカードは、「ホースト vs サップ」でした。

 そんな事は露知らず、テレビ中継を見ていた私は、「アーツvsホースト
のカードを
「うんうん、ホーストの引退にふさわしい」
 などと、喜んでおりました。

 で、試合を見るにいたって、アーツも腹が出てきたなぁ~~ もっと鍛え
なきゃな~、とかって思っていたのです。

 試合の展開としては、ま、ホーストが押し気味で、だからとて、アーツの
手数が少なかろうと、両者のファイトが、これ以前のファイターたちの戦い
に比べ、迫力で劣っていようと、どうでも良い事でした。
 K-1の黎明期から支え、何度もチャンピオンシップを捕らえた二人だか
らです。この二人が与えてくれた感動は、なにものにも変えがたいからで
す。

 結果はホーストの判定勝ち。両者は歩み寄り、何事かを話していました。
試合内容などどうであれ、この二人が戦った事に意味があるのだ、と自分
で納得し、その日は気持ち良く寝たのでした。

 翌日、スポーツ新聞で、「サップ、敵前逃亡」の記事を見つけました。
あわてて、読んでみると、開会式には登場し、バンテージまで巻いておき
ながら、試合30分前に会場を去ったとあります。
 そこで、テレビ解説として会場入りしたいたアーツが、対戦相手として名
乗りをあげ、トランクスをセーム・シュルトから借りて出場したとありました。
アーツとしては、大会が成立しなくなる事がゆるせなかったのでしょう。
アーツの動きに精彩が無かったのは当然の事だったのです。体が弛んで
いたのも当然です。 試合30分前にオファーを受けて、出場する選手は
いません。

 それがK-1に対する愛情か、ホーストに対する友情かは分かりません。
でもアーツはめいっぱい戦ったのでしょう。 そして、ホーストにしても、いくら
アーツとはいえ、準備の全く整っていない相手に対し、全力で立ち向かう訳
にはいかなかったでしょう。
 試合がいまひとつだったのはやむをえない事だったのです。 でも、その
存在感だけで、試合内容まで踏み込まないで二人をたたえるファンは自分
一人ではないと確信しています。

 ピーター・アーツ、 生粋のK-1ファイター…。
「最後の暴君」は…最高です。