無念…
放射線の基準値を超えた野菜が続出している。
基準値と言うのは、一年間摂取したときに問題となるもの。
それがCTスキャン一回分と聞けば、そんなに危険なのか?
と思う。
当初、自粛要請とされたが、出荷規制である。
市場からも通達が来た。要約すれば、放射線の基準値を超えた
ものは出荷停止となっているので、市場内の野菜は安全である、
と言うものだった。
仕事をしながら、ラジオのニュースで、ホウレンソウ処分だとか、
一度出荷されたホウレンソウが、受け付けてもらえなかったとかを
聞いて、心を痛めた。
しかし、行政の判断は正しい。
そんな野菜は全然問題がないじゃないか、と言う人がいる。しかし、
産地の名前を聞いただけで、拒絶反応を示し、なんでもかんでも
ダメだと言う人もいる。
こなると市場は混乱する。市場が混乱すれば、消費者にも移る。
「疑わしきは罰せず」は、法治国家における大原則であるが、
この場合は、「疑わしきは全て罰せよ」になる。
罪もないのに罰せられた生産者はどうしたらいいのだ。
農業は儲かる仕事ではない。むしろ、自然や天候を相手にした
大博打のような仕事である。台風が来たらおしまい。
異常天候があったらおしまい。天災が来たらおしまい。
だから国からの援助が厚いのだ。
農業に競争力をつけろと言う論理がある。
農業従事者の平均年齢は60歳を超えている。「農家」と言う通り、
農業は家業が中心になっている。
その人たちに競争しろと言うのか?
リスクがある以上、企業はそう簡単に入り込んでこない。
食料自給率が40%にも満たない国の理由はここにある。
工業生産国として成功した日本は、てめえの食い扶持も
忘れて、金儲けばっかりやり過ぎたのではないか。
てめえの手に負えない原子力なんぞに振り回されて、
肝心の食い扶持を汚されたのでは何にもならんだろう。
言っている事が支離滅裂なのは分かっている…。
でも、考えて欲しい。
慈しみ育ててきた作物を、自分のせいでなく、どこの馬の骨とも
しれない「放射能」などと言う、目にも見えないもののために
捨てざるを得ない事になってしまった生産者の気持ちを!!!
明日も俺は客に言わなければならない。
「市場に入っている野菜は安全です」
捨てられたホウレンソウだって本当は…。