雨に泣いている
柳ジョージさんが亡くなったそうです…。
ラジオで聞きました。
また憧れの人が星となりました。
高校生の時、友人が
「柳ジョージはいいよな」と教えてくれました。
うちは貧乏人だったので、ステレオもありません。
モノラルのラジカセだけ。
今は死語となっているけど、エアーチェック
(ラジオで流れる音楽をカセットテープに録音する事)
を一生懸命して、曲を集めていました。
「雨に泣いている」がヒットし、「YOKOHAMA」のアルバムが
出た頃だと思います。
インベーダーゲームの台がいっぱいあり、100円玉を山積みして
みんなが熱くなっていました。名古屋打ちだの、大阪打ちだのって…。
そんな中で私が一杯のコーヒーで粘りながら読んでいた本がありました。
柳ジョージさんが書いた「敗者復活戦」でした。
「売れない」、「食えない」、ミュージシャン生活を経て、柳さんが
「柳ジョージ&レイニーウッド」として成功するまでのサクセスストーリー。
本の内容など全く忘れているのに、猛烈に感動した事だけはしっかり
覚えているのです。
ま、矢沢永吉さんの「成り上がり」みたいなものだと思っていただければ
間違いないのですが、あれよりも強烈に感動したのは、まだ私が純粋
だったからなのかもしれません。
カッコ良かった。
ともかくもカッコ良かった。
ブラックのストラトキャスター。
R&Bを基調としながらも、ポップなセンスもあり、
男、男と女、人生、いろいろなテーマを歌詞に乗せ、
あのしわがれたボーカルと、渋いギターで聞かせてくれました。
私の好きなエピソードがあります。
「酔って候」という曲があります。
これは、司馬遼太郎さんの小説、「酔って候」が元になっています。
でも時代は西郷を選んだのです。
そんな山内容堂に柳さんは惚れたのでありましょうか?
なにはともあれ曲が出来たのですが、なんと柳さん、
大阪の司馬遼太郎さんのところまで会いに行き、直接、
「こんな歌を作りました。歌ってもよろしいでしょうか」
と許可を取りに行ったのです。
なんと律儀な事か…。
あまりにもロックにはなりにくい素材ですが、
ものすごく「男気」にあふれていて私は大好きなのです。
土佐の鯨は 大寅で
腕と度胸の男伊達
いつでも 酔って候
酒と女が大好きで
粋な誌で雪見詩
いつでも 酔って候
鯨海酔候 無頼酒
鯨海酔候 噂の容堂
二升入りの瓢箪で
公衆を脅かす無頼酒
粋な 酔って候
歯が疼き 目も眩み
耳鳴りしようとも
いつでも 酔って候
鯨海酔候 無頼酒
鯨海酔候 噂の容堂
新橋 両国 柳橋
夜の明けるまで 飲み続け
粋な 酔って候
ジョージさん、安らかにお眠り下さい。
合掌…。