yokohamanekoの日記

横浜で猫2匹と暮らしております。

「人生はニャンとかなる」 文響社

「人生はニャンとかなる」 文響社
 
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新聞の広告欄でこの本の事を知った。面白いタイトルにあわせて、それらしいポーズをとったりする猫の写真が何枚か載っていた。見ていて微笑ましい。猫好きにとってはたまらない事であろう。しかしお値段が1400円とある。文庫本が何冊か買える。その時はその程度しか思わなかった。
 
 後日、その本と再会した。場所は書店のベストセラーのランキングコーナーである。堂々の第四位になっていた。動物の写真集でも、金融会社のCMで有名になったワンちゃんだとか、ブサカワのワンちゃんだとかがベストセラーになった事はあるが、そういった有名キャラクターでもないようなのに何故なんだろう?
 手に取ってみる。何ページか眺めてみる。思わずにんまりとしてしまう猫の写真と、写真に合わせた面白いタイトルがついている。全部写真なのかと思ったが、写真の裏側のページは文章になっている。驚いたのは写真のタイトルは、全て著名人の格言であった事だ。その解説が写真の裏ページにある。つまり、この本は猫の写真と、格言とを組み合わせた本なのだ。表紙を見直した。正式なタイトルは
「人生はニャンとかなる 明日に幸福をまねく68の方法」
であった。
 
 
「明日に幸福をまねく68の方法」なるタイトルは気に入らない。私はこういうたぐいの本があまり好きではない。大体において綺麗事が並んでいて、マザー・テレサにでもなれって言うのかよ!と思ってしまう。性格の歪んでいる私なら尚更だ。(爆)
 格言集などは、物事や心情の真理ではなく、著名人を持ち上げて、だからこの人は偉い、なる結論に無理やりもっていく傾向もある。そういう格言集は好きになれない。
 ところが頭に「人生はニャンとかなる」がつくと、かなり趣が変わってくる。ふざけているとまでは言わないが、かなり砕けた調子になる。少なくとも、人生だの、哲学などを大上段に構えてしかめっ面で読む必要はまったくなくなる。
 
 
 1ページ目を見る。キジトラ模様の猫が、両手を広げてあおむけに寝ている。バンザイポーズと言った方が分かりやすいかもしれない。うちのミミもよくやっている。私は見慣れているが、それでも、ぷっと吹き出したくなるような写真だ。タイトルは「隙があるから、好きになる」とある。まさしく隙だらけのポーズであるが、故に好感を持つ。
 ページをめくる。マリリン・モンローとあった。いきなり大物の登場である。有名なエピソードであるが、「モンローウォーク」はマリリン自身が考案したものであり、左右のヒールの高さを変えてしまう事によって、あの特徴的な歩き方が完成したのだと言う。つまり、不完全なヒールから男性視線を引き付ける「モンローウォーク」が生み出されたと言う訳だ。
 解説の最後にこうある。
「人は完璧なものを求めているわけではありません。欠点やダメな部分が自分を魅力的に見せてくれることがあります」
 
うむ…。なるほど…。
 
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気が付いたら私は夢中になってこの本を読んでいた。
ココ・シャネル、トーマス・エジソン、マライヤ・キャリー、勝海舟と、時代も分野も関係のない人々が次々と登場する。68人の偉人と、68匹の猫。解説の結果はやっぱり綺麗事なのだが、綺麗事に対する尖った気持ちを、猫たちが溶かしてしまい、なんだか素直な気持ちになれる。
 
なるほど、ベストセラーになる訳だ。こんな構成の本は初めて見た。
これを読んで幸せになれるかどうかは、読んだ人次第だが、ちょっとだけ気持ちがやさしくなれるのだけは確かだろう。大切な人にプレゼントしたくなるような本だ。
 
私は今、完全にこれにハマっている…。
 
私は本屋の回し者でもなんでもないが、是非お勧めしたい。
68匹の猫たちが教えてくれる「大切なこと」を…。