yokohamanekoの日記

横浜で猫2匹と暮らしております。

本の事など…

「ツナグ」辻村深月

読書から遠ざかってからだいぶ経っていました。ふとした弾みで電子書籍と言うものと知り合い、その便利さからまた本を読む様になるのですが、どうも作家が分からない。辻村深月ってのは男か?女か?と言う有様です。そんま事も知らねぇのかい!とツッコミが…

「西郷の貌」

「西郷の貌」 祥伝社文庫 加治将一 小説なのか、ノンフィクションなのか分からずに購入した。とりあえず中身は小説である。だが、筆者が恐らくは自らの経験を元にして、書き綴ったものだろう。 自分も知らなかったが、西郷隆盛の写真である。あの相撲取りの…

「ようこそ、わが家へ」 池井戸順

「ようこそ、わが家へ」 池井戸潤 小学館文庫 身近に潜む恐怖と言うものがある。例えば痴漢の冤罪。一時話題になった事がある。痴漢と言えば当然卑劣な行為であり、被害女性に同情が行くのがごく当たり前の事だ。以前は女性が申し出れば簡単に犯人にされてし…

「下町ロケット」 池井戸潤

「下町ロケット」 池井戸潤 小学館文庫 以前から楽しみにしていた本の一つだ。ドラマ「半沢直樹」でその名に注目、江戸川乱歩賞受賞や、吉川英治文学新人賞受賞、直木賞受賞などの輝かしい実績を誇る作家、池井戸潤。その直木賞受賞作品が本作であり、書店で…

「人生はニャンとかなる」 文響社

「人生はニャンとかなる」 文響社 新聞の広告欄でこの本の事を知った。面白いタイトルにあわせて、それらしいポーズをとったりする猫の写真が何枚か載っていた。見ていて微笑ましい。猫好きにとってはたまらない事であろう。しかしお値段が1400円とある…

「架空通貨」 池井戸順

「架空通貨」 池井戸潤 講談社文庫 本作は、著者が江戸川乱歩賞受賞後の第一作だと言う。受賞作は「果てつる底なき」であった。この作品は同僚の死に不審を抱いた銀行マンが、銀行の暗部に立ち向かっていくと言うストーリーである。これについては本ブログで…

「果つる底なき」 池井戸順 講談社文庫

「果つる底なき」 池井戸順 講談社文庫 私が会社の同僚から、「面白いドラマが始まった」と聞かされたのは 大分前の事である。どんなドラマなのか問うと、舞台は銀行で、ある 銀行員が、だまし取られた融資5億円を回収するドラマだと言う。 面白そうだとは…

「さよならドビュッシー」 中山七里

「さよならドビュッシー」 中山七里 宝島社 クロード・ドビュッシーはフランスの作曲家である。 なんて、偉そうに言う程、私はドビュッシーを知らないのだけど…。 ま、とりあえず、「月の光」くらいは知っている。 最初にちゃんと聞いたのは「牧神の午後への…

「インビジブルレイン」 誉田哲也

「インビジブルレイン」 誉田哲也 光文社文庫 ドラマが大いに当たった「ストロベリーナイト」であるが、 これによって竹内結子さんのハマリ役となったのが、 姫川玲子である。 警視庁捜査一課捜査班第十係主任として、「姫川班」を 率いて活躍する。高校生の…

「アカペラ」 山本文緒

「アカペラ」 山本文緒 新潮文庫 山本文緒さんの名を見たのは久しぶりであった。 野生時代という雑誌に、日記のような連載があった。 その連載がいつの間にかなくなり、後で病気になったと聞いた。 私は山本さんの綺麗事ではない恋愛小説が好きである。 記憶…

「アミダサマ」 沼田まほかる

「アミダサマ」 沼田まほかる 新潮文庫 表紙の絵が不気味である。 おかっぱ頭の、かわいい洋服を着た女の子だ。 逆光に晒されているのか、自らが発光しているのか分からないが、 まるでこれからその光に隠れて消え行ってしまいそうな印象がある。 そしてこの…

「九月が永遠に続けば」 沼田まほかる

「九月が永遠に続けば」 沼田まほかる 新潮社文庫 聖書と言う本がある。 誰もが知っているキリスト教の聖典である。 宗教の自由を保障されながら、宗教に対する依存度の低い日本には ちょっと馴染みのない本でもある。 ウチにも一冊ある。自分で購入したもの…

「1995年のスモーク・オン・ザ・ウォーター」

「1995年のスモーク・オン・ザ・ウォーター」 五十嵐貴久 双葉文庫 その本は平積みのコーナーにあった。 書店や出版社が「売ろう!」と意気込んでいるのが積んである。 私はミーハーなので、そんなのに弱い。いつもついうっかりと手をだし、 積ん読になって…

「彼女がその名を知らない鳥たち」 沼田まほかる

「彼女がその名を知らない鳥たち」 沼田まほかる 幻冬舎文庫 この著者の作品は二作目である。 一作目は「猫鳴り」であった。 http://blogs.yahoo.co.jp/tyler1961_0523/51796777.html 猫の事を扱っているから、そちらばかりに気を取られていたが、 ふと感じ…

「サイレント・ブラッド」 北林一光

「サイレント・ブラッド」 北林一光 角川文庫 この著者の作品は二作目である。 「ファントム・ピークス」に続いてだ。 舞台が長野県であることで、続編なのかと期待したが、 そうではなかった。 「ファントム・ピークス」の、あの興奮をもう一度、 と思った…

「ファントム・ピークス」 北林一光

「ファントム・ピークス」 北林一光 角川文庫 本の帯には「宮部みゆき氏 絶賛」と書かれていた。 これに心を動かされて、手に取ってみた。 舞台は長野県の安曇野。 三井周平の妻はこの地で行方不明になった。 その半年後に遭難地とは離れた場所で妻の頭蓋骨…

「オリンピックの身代金」 奥田英郎

「オリンピックの身代金 上下」 奥田英郎 角川文庫 映画、「ALWAYS 三丁目の夕日」は昭和39年が舞台である。 1964年、言わずと知れた東京オリンピック開催の年である。 当時、私は三歳。残念ながら東京オリンピックの記憶は無い。 貧乏だった我が家に…

現代用語の基礎知識

「現代用語の基礎知識」 自由国民社 2012年度版の「現代用語の基礎知識」が出ました。 もうそんな時期かぁ…、と購入しました。 ぺらぺらとページをめくりながら、 今年も、こんなことがあった、あんなことがあったと思います。 今年を振り返る、なんての…

プリンセス・トヨトミ

「プリンセス・トヨトミ」 万城目学 文春文庫 面白い作品だと思った。 まさにエンターテイメントの真骨頂と言えるのだが、 誰も死なない。殺人はない。過激な暴力描写もない。 セックス描写もない。男女のロマンスもない。 だいたい、エンタ-テイメント作品…

神様のカルテ

「神様のカルテ」 夏川草介 小学館文庫 書店でこの文庫を見たときに、おや?と思った。 マンガ雑誌モーニングに連載されている作品のタイトルと同じ。 あのマンガに原作があったのか、と私は思ったのだが、 この作品はすでにベストセラーとなり、映画化もさ…

「猫鳴り」 沼田まほかる

「猫鳴り」 沼田まほかる 双葉文庫 猫鳴りとはなんだ? 猫と暮らす私にとって、それは単純な疑問だった。 本の帯にその答えがあった。小説に登場する人物が、 猫の背などをなでてやるとゴロゴロと喉を鳴らすのを 勝手に名付けたものだった。 なるほどと納得…

「八日目の蝉」 角田光代

「八日目の蝉」 角田光代 中公文庫 優しかったお母さんは 私を誘拐した人でした とキャッチコピーがある。 その本の帯に二人の女優さんが写っていた。 芸能人にはとことん疎い私であるが、 一人が井上真央さんであることはすぐに分かった。 ドラマ「獣医ドリ…

「ジェネラル・ルージュの凱旋」 海堂猛

「ジェネラル・ルージュの凱旋」 海堂尊 正月の暇にまかせて一気に読んだ感がある。 本作は、「このミステリーがすごい大賞」受賞作である、 「チームバチスタの栄光」の続編、正確に言えば、その間に 「ナイチンゲールの沈黙」があるが、なんとこれらは同…

「楽園」宮部みゆき

「楽園 上 下」 宮部みゆき 文春文庫 久々に宮部さんの小説を堪能した。 作風は変わっておらず、「ハートウォーマー」の異名は 今だ健在であると確信した。 「模倣犯」から9年の月日が流れた。 世間を震撼させた大量殺人事件の犯人を追いつめた フリーライ…

「さまよう刃」 東野圭吾

「さまよう刃」 東野圭吾 角川文庫 東野圭吾さんは、今や、押しも押されもせぬベストセラー作家である。 本は売れにうれまくり、書店での平積みは数多い。 作品は次から次へと映画化、あるいはドラマ化され、 その作品はいろいろな分野で愉しまれている。 私…

「ガール」 奥田英郎

「ガール」 奥田英郎 講談社文庫 直木賞の受賞をもってこの人の存在を知った私は、 「空中ブランコ」を読んでみた。 これが直木賞?? こんなやわらかい直木賞もあり? 以来、私は伊良部先生のファンであり、 看護師、マユミちゃんの大ファンである。 内容は…

「月光」 誉田哲也 徳間文庫

「月光」 誉田哲也 徳間文庫 ベートーヴェン作曲、 ピアノソナタ 第14番 嬰ハ短調 作品27-2 「月光」、 全ては、女子高生が音楽室で奏でたこの曲から始まった。 野々村結花は姉の死に疑問を持っていた。 姉、涼子は同級生にバイクで跳ねられて死んだ。…

「ジウ Ⅰ~Ⅲ」 誉田哲也

「ジウ Ⅰ~Ⅲ」 誉田哲也 中公文庫 「ストロベリーナイト」で味をしめた私が、 この大長編に手を染めたのは言うまでもない。 一冊約400ページ、三冊で1200ページ。 大変な長編作品であるが、時間が許すなら一気に読破するだろう。 序章に、営利誘拐事…

「ストロベリーナイト」 誉田哲也 光文社文庫

「ストロベリーナイト」 誉田哲也 光文社文庫 書店で、平積みされていた一冊をたまたま手に取った。 著者は知らない。 カバーは薄暗いが、タイトルは可愛らしい。 読み進むうちにこのタイトルの意味を知るにつけ、愕然となる。 冒頭、「僕」が解放される様は…

村上春樹さんのメッセージ

今朝の朝日新聞の「天声人語」で、何日か前のニュース を思い出しました。 村上春樹さんが、イスラエルの文学賞、エルサレム賞を受賞したとのこと。 ご存知の通り、イスラエルは圧倒的軍事力を以って、パレスチナを 圧倒しました。1300人もの命が奪われ…