yokohamanekoの日記

横浜で猫2匹と暮らしております。

「ファントム・ピークス」 北林一光

「ファントム・ピークス」 北林一光 角川文庫
 
イメージ 1
 
本の帯には「宮部みゆき氏 絶賛」と書かれていた。
これに心を動かされて、手に取ってみた。
 
舞台は長野県の安曇野
三井周平の妻はこの地で行方不明になった。
その半年後に遭難地とは離れた場所で妻の頭蓋骨が発見される。
その後も次々と犠牲となる女性たちが確認されるに及んで、
山の魔物は徐々に解明されていく。
 
 
昔、「ジョーズ」と言う映画があった。
人食い鮫の映画である。
犯人は鮫と分かりつつも、正体はなかなか現れず、
スクリーンに映し出された巨大鮫に見ている方は恐怖した。
そんなパニックをこの小説では味わえる。
 
物語半ばで、山の魔物の正体は知れる。
一度現れた魔物は、その凶暴性をこれでもかと発揮する。
海では鮫が最強かもしれない。でも地上ではこの魔物が最強だ。
地上最強の魔物は、すべてをなぎ倒して行くように見えた。
そこに立ちはだかったのは…。
 
 
 
エンタ-テイメント作品として楽しめる作品だと思う。
そして、その魔物を作り出したのは、堕落した人間だった。
最高傑作を提供してくれた著者に感謝したくとも、
この人はすでに故人だと言う。
私と同じ1961年生まれだったと知り、複雑な心境だ。
しかし、あと一作ある。これも楽しみたい。