yokohamanekoの日記

横浜で猫2匹と暮らしております。

「さよならドビュッシー」 中山七里

「さよならドビュッシー」 中山七里 宝島社
 
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クロード・ドビュッシーはフランスの作曲家である。
なんて、偉そうに言う程、私はドビュッシーを知らないのだけど…。
ま、とりあえず、「月の光」くらいは知っている。
最初にちゃんと聞いたのは「牧神の午後への前奏曲」だった。
第一印象は、なんと不思議な曲なのだろうか、と言う事だ。
印象派と呼ばれるそうだが、絵の分類のようだなと思った。
良く分からないが、ベートーヴェンモーツァルトのような音楽とは
ちょっと違うようだ。
「月の光」とよく混同するのが、「亡き王女のパヴァーヌ」である。
良く聞けば、全然違うのだが、なんだかイメージが似ているのだ。
どちらもピアノ曲であり、「亡き王女のパヴァーヌ」を作曲した
モーリス・ラヴェルもフランスの作曲家である。
 
フランスの音楽はなんだかちょっと違う?
私はクラシック音楽に造詣の深い人間ではないので、
具体的かつ的確に説明が出来ないが、なんか違う…。
私がそんな思いで、悶々としていたのはコンビニの書籍売り場だった。
 
 
「さよならドビュッシー
「おやすみラフマニノフ
「さよならドビュッシー 前奏曲
と三冊の文庫本が並んでいた。
 
最近、あまり音楽を聞かなくなってしまった私には、ちょっと気を引く
タイトルが並んでいる。ドビュッシーラフマニノフかぁ…。
あまり考えることなく、三冊とも購入した。
それがどんな本であるのかも分からず、である。
 
 
最初に読み始めたのが、「さよならドビュッシー」である。
文章はしっかりしているが、軽い調子の展開に、青春小説かと
思いきや、大事件が起きる。
 
資産家の娘とその従妹、祖父が火事に見舞われた。
一人だけ生き残った娘は全身大火傷の重傷を負った。
彼女はピアニストを目指していたが、夢は断たれたであろう
と思われた。
 
そこに現れたのは新進気鋭のピアニスト、岬洋介だ。
岬の魔術のような指導に、娘はコンクール出場を誓う。
全身大火傷のピアニストに、マスコミが飛びつく。
悲劇のヒロインには嫉妬や羨望も纏わりついてくる。
 
更に、死んだ祖父の遺産相続を巡って、不吉な事故が起こり、
殺人事件まで発生する。
 
それでも娘は、コンクールの予選を勝ち抜き、決勝戦に向かう。
読む方に力が籠ってくる。思い入れが強くなり、誰もが大火傷の
ピアニストを応援したくなってくる筈である。
 
しかし最後に大どんでん返しが待っていた。
 
 
 
ミステリーに詳しい方なら、もしかしたら、最後のどんでん返しを
推理出来るかもしれない。
 
タイトルの「さよならドビュッシー」が最後の一文にもなっている。
 
中山七里さんと言う方…。かなりの腕前と見た。(爆)
どんどん読み進めてしまう。ノンストップアクションの映画みたいだ。
このまま、ハズレ無し作家になっていただけませんでしょうか…。
 
今、「さよならドビュッシー 前奏曲」を読んでおります。