バースデイ・イブ
私の住む横浜は、今日は朝から雨でありました。鬱陶しい時期でありま
す。時折、激しくなる雨に、苦虫を潰しながらも、仕事はせねばなりません。
仕事の途中、運転する車の中で、ラジオから
「関東甲信越地方、梅雨に入った模様」との報が入りました。
「梅雨か~~、いやだなぁ~~」
と呟いた私は、「梅雨」と言うキーワードからある事を連想しました。それ
は「誕生日」であります。
六月十日、それが私の誕生日なのです。時の記念日と言う以外に特別
なにがしあるわけではなさそうです。
今日何日だっけ?と思いを廻らせば、あ~明日かぁ~~となるのでした。
もう何年間も、いい加減に誕生日を過ぎてから、あ~、今年も年を取っち
ゃったか~と苦笑いしていたのです。
さすがに四十歳になった時には、少しは年齢を意識しましたが、それ
以後は別段気にすることも、考える事もなく過ぎていきました。
当たり前ですが、毎日毎日仕事をしています。単調な毎日の繰り返しで
す。毎日のルーチンに疑問を感じたり、憤ったり、抗ったりする年齢はとっ
くに過ぎてしまいました。
ですから、感覚的な時間も、思考も止ってしまうんですね。ふと気が付く
と自分の年齢だけがむやみに多くなっていてびっくりしますね。
「俺って何歳になったのよ?」
と自分に問いかけます。
四十五歳…。
へぇ~~、すっげ~、じじいじゃん…。四捨五入したら五十か…。
今更、慌てふためいても後の祭りです。しかし、ちょっと考えて見ました。
世間一般での四十五歳ってのはどんなもんか?
やっぱ、社会的に見れば、大人としての分別も備わっていて、結構重要
なポジションにいて、ま、それは課長とか課長補佐とかってところでしょうか?
部下には何人かの係長を束ね、きちんと会社のヴィジョンを把握した上
で適切な指示を与え、発生した問題については、英知の限りを尽くして対処
するって…、う~~ん、かっくい~~!!
「そんなのが、嫌だからドロップアウトしたんだろ?お前?」
ともう一人の私、ああ~~そうでした。
サラリーマンと言うのが、楽そうに見えて、実はとてつもなく苦行を伴う
職業だと気付いた時があったのでした。何歳だったのかなぁ~~??
忘れてしまいました。^^
ブログなんぞをやりだいしたおかげで、ものを考える癖がついて、とても
良い事だと実感しております。
私は所謂、「人生の選択肢」において、後から考えると、損な方にばかり
流れる癖があるようなのです。それはそれで仕方ありません。これこそが、
「自己責任」ってヤツなのです。
今更、大成を望む訳もなく、より多くの小さな幸せと不幸せを楽しみたい
と思うのです。
え?なぜ不幸せもかって?
不幸の分だけ
ちゃんと
幸せになれるよ。
ほんとだよ。
浅田次郎 「姫椿」から