yokohamanekoの日記

横浜で猫2匹と暮らしております。

のだめカンタービレ 最終回


たぐい稀なる才能を持ちながら、付け焼刃の練習では追いつかず、
コンテストでは、内容では勝ちながら、勝負で負けたのだめ。
九州の実家に帰り、傷心を癒していた。

ふと弾いたシューベルトに拍手を送る祖母。
祖母の拍手に、コンテストを思い出した。
体力も精神力も限界の中、綱渡りの演奏だったが、
観客は惜しみない拍手をくれた。
千秋には楽しくないと答えたのだめだが、
コンテストでの観客の拍手も、祖母の拍手も、
ピアノを弾く楽しさを思い出させてくれた。
少しずつ、のだめの傷は癒えていく。

一方、千秋は、ピアニストとしてののだめの将来を一度は諦めた。
しかし、成り行きでのだめの実家まで行く事になり、
それならばと、何とか海外留学をさせるべく決意する。

のだめの携帯に、ピアノ教師であるハリセンからメールが入る。
コンテストの審査員であるオクレールから推薦が入り、
フランス音楽院に留学試験を受けさせてもらえるのだ。
傷は癒えた。のだめは留学を決心する。

そんなのだめの前に千秋が現れた。
のだめは夢を語る。
「千秋先輩が指揮で、のだめがピアノで、フィラデルフィア管弦楽団…」
千秋はのだめを抱きしめた。
「メリークリスマス…」


千秋はのだめの家族と過ごすうちに、彼女を育んだ家を知る。
そして、のだめが幼い頃にピアノ教師から受けた、心の傷も知る。
そのことを心配したのだめの父親に千秋は告げた。
「僕はあいつのピアノが、すごく好きなんですよ」



のだめと千秋はフランスに留学することになった。
のだめを激励するシュトレーゼマン。
千秋を取り囲む、R☆Sオーケストラの面々。
皆、それぞれが、それぞれの道を突き進んでいく。



千秋が留学する事により、R☆Sオーケストラは最後の千秋指揮
クリスマス演奏会が行われた。

三木清良をフィーチャーしたバイオリン協奏曲
サラサーテ カルメン幻想曲
超絶技巧を凝らしたバイオリンソロに拍手の嵐が降り注いだ。



そして最後の曲。
指揮台に上がる千秋。オケの面々が千秋を見つめる。
千秋も一人一人を見つめ返した。
のだめは客席で見守った。

「これが、俺の日本での、学生生活最後の曲、
俺がはじめてオーケストラを指揮した曲、
またこの曲からはじまる気がする」

ベートーヴェン作曲、交響曲第七番


千秋の脳裏を様々な出来事が走馬灯のように流れた。
全ての楽器の旋律があふれる。
全ての演奏者の気持ちがあふれる。

峰が目配せする。
千秋が頷いた。
フルートがウインクする。
演奏者全てに合図が行き渡った。

「もうすぐお別れだ。俺も伝えなければ…。
みんなに感謝の気持ちを、俺を大きく変えてくれた
素晴らしいオーケストラ!!
さあ、歌おう、最後の一音まで、今できる最高の音楽を!!」

チェロが回る。
ヴァイオリンが逆立ちする。
高い演奏能力に、最高のパフォーマンスが加わった。
全ての音と気持ちが一体となったフィナーレに、
観客は呼吸さえ忘れた。

静寂の中を、裏軒のオヤジが叫んだ。
「ブラボー!!!!」
堰を切ったように流れ出た拍手の洪水の中、
千秋の瞳から、このクールな男に最も似合わないものが
一筋流れた。