「椿山課長の七日間」
「椿山課長の七日間」 浅田次郎 朝日文庫
この本は、文庫化とともに速攻で購入した。
さて、いつ購入したんだっけ?
ん~~…。
今年? 去年…???
最終ページで確認すると…、
なんと、初版が(文庫よ)2005年、9月30日とある…。
たぶん、その当りで無条件購入した筈なのである。
記憶にないんだけど…。
読んでいる時には分からなかったが、こうして今見ると、
この本は、少し茶色に変色していた…。
すでに古本様相を呈していた訳である…。
椿山課長は生粋のデパートマン。
高卒としては異例の出世をとげ、しかし、この不景気の中、
達成不能の予算に立ち向かうも、「初夏のグランドバザール」
初日において過労死してしまう…。
武田勇は任侠ヤクザである。
ヤクザとは言え、切った張ったの暴力団とは違い、
祭日や縁日に出店を張るテキヤであった。
その武田が、ヒットマンに、間違われて(!)殺された。
根岸雄太は小学2年生だった。
良いとこのお坊ちゃんだったが、
交通事故に遭遇して死んだ。
さて、この三人…。
「あの世」にて、自分の死に対し、不服申し立てをした。
そして「この世」に姿を変えて戻った三人…。
残された時間は三日間だけ…。
自分が生きている間に出来なかった事、しなければいけなかった事、
三人が探っていく間に、どんどん、三人の関係は近くなるのだった。
さて、この先は読んでみてのお楽しみ…。
今まで、浅田次郎を読んだ事のある人には、
どうぞ、ご安心あれ!
ぶっちぎりの抱腹絶倒の笑いがあり、
バスタオル必至の、「泣かせ」がばっちり用意されている。
「プリズンホテル」をご存知の方なら、
今一度、極道コメディーに、大笑いできる。
「鉄道員」のファンタジーに酔いしれた方は、
その感動にもう一度、浸う事ができる。
「ラブレター」で泣いた方。
その調子で、全開で泣いて結構…。
浅田ワールド…、たっぷり味わえる一冊だと思う。